top of page

症例検討会 2024年4月26日

  • 執筆者の写真: Admin
    Admin
  • 2024年5月15日
  • 読了時間: 3分

ご報告:安東未央先生  (ステラデンタルクリニック. WDAI会員)


2024年4月7日に第15回WDAI定例会が今回もハイブリッド形式で開催されました。

冒頭、会長の立川敬子先生より第2代会長で、相談役であられた田中道子先生が昨年末ご逝去されたとのお話がありました。

WDAIばかりでなく、田中道子先生のご活躍は歯科界において『レジェンド』と呼ばれるものとしてふさわしいと思います。

いつも力強く皆を鼓舞してくださり、先頭に立ってWDAIを支えてくださった田中道子先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

15回定例会の際、症例に悩んでいたため石膏模型を持参し、休憩時間に柳井智恵先生や渥美美穂子先生にご相談させていただいたところ、症例相談にとのお声がけをいただきました。多忙を極めてらっしゃるはずのメンターの先生方なのに、すぐにお時間を調整していただき、4月26日21時より症例相談会が開催されました。

 

症例の概要①

・患者:40代男性

・主訴:虫歯を治したい。インプラントを入れたい。

・既往歴:特記事項なし

・家族歴:特記事項なし

・現病歴:初診 2019.12.28 歯科は10年以上ぶり。

     カリエス多く、11・21番CR充填。26・36番感染根管処置。26番直接覆髄。

     16・14・24C4保存不可。治療途中のままになっていたため歯牙の挺出顕著で

     咬合平面も乱れている。34・35・37番 セラミックス修復処置。

   ※コロナのため、約3年半治療が途絶える。

     再初診 2023.12.28 治療の続き希望。

     26番 感染根管処置。27番 間接覆髄後、経過観察。24・36番抜歯。

     左側顎関節にクリック音あり。疼痛・開口障害ないが長時間の開口は難しい。

 

治療に対する検討内容

 咬合平面を整えるために、残根以外の抜歯部位とインプラント埋入位置の検討、

 咬合治療の必要性の有無についての検討。

 

 治療を望んではいるものの、特に抜歯に関してはやや消極的な方であることや10年以上  

 治療をせず放置してしまった点を踏まえると、治療計画そのものより患者様のキャラク

 ターを見定めることが大事であり、その上で治療を開始すべきであるという大変貴重な 

 ご意見を頂戴しました。

 

症例の概要②

・患者:50代男性

・主訴:虫歯を治したい。インプラントを入れたい。

・既往歴:特記事項なし

・家族歴:特記事項なし

・現病歴:初診2017.5.16

     勤務医時代から約20年ご通院いただき、う蝕処置・矯正・インプラントなど

全顎処置済み。

     今回23番歯根破折の診断後、24番サイナスクラフト出現し感染根管処置終了、  

ファイバーコア築造し、23・24番連結Tecを作成し、23番抜歯後すぐに装着し、経過観察中。

     

治療に関する検討内容

     術前のパントモやデンタルでの画像診断の限界について検討。

     抜歯前のCBCTの必要性について検討。

     骨欠損が大きい症例での埋入時期の決定・骨造成の必要性について検討。

 

     抜歯前のCBCTの診断の必要性についてアドバイスをいただきました。

     ハード面での限界を痛感した症例となりました。

 

貴重なお時間を頂戴し、2症例ご相談させていただきました。

特に最初の症例では、治療計画そのものより、患者様のキャラクターを見定めることが大事だというアドバイスに、臨床で何が大事なのかを改めて再認識させていただくこととなりました。






 
 
 

Comments


bottom of page